先日フリーライドについてのエントリを書いた後、不正競争防止法をちゃんと勉強できてないなあ、最近色々改正もあったみたいだしなあ、ということで、不競法の本をAmazonやリアル書店で探してみたのですが、あまりupdateされていない模様。

何ででしょうかね。売れないんですかね。

そんな中で比較的最近(今年5月)に改訂されていた青山紘一先生の『不正競争防止法 第5版』。


これは嫌な予感的中というか虫の知らせだったというべきか、この本を読んで不競法の改正をフォローしていると、平成18年に恐ろしい改正がなされていることを発見。

それは、退職後に営業秘密を使用・開示する行為に対する刑事罰の重罰化

平成17年の改正によって、在職中に営業秘密の開示の申込をし、または請託を受けて、退職後に営業秘密を使用・開示しただけで、処罰の対象になることになっていたわけですが、この罰則が

 平成17年改正 5年以下の懲役/500万円以下の罰金
            ↓
 平成18年改正 10年以下の懲役/1,000万円以下の罰金

たった1年で、こんなに重罰化。
きちんとフォローしていなかった私も悪いんですが、それにしてもなぜ?

この本のP242以降でも、この改正の必要性については激しく批難されています。
営業秘密に関する民事事件は、平成9年2件、平成10年6件、平成11年7件、平成12年7件、平成13年13件であり、刑事事件はまだない。このような状況において、懲役刑の上限を引上げることの必要性は乏しい
審議会で実際に議論された形跡もなく、パブリックコメントが募集された形跡もない。
こうした問題の多い法改正を、「意匠法等の一部を改正する法律案」の中に潜り込ませて、国会でもなんら質疑応答のないような状況で成立させる手法が、知財改革の名の下に許されるとしたならば、後世に禍根を残すことになるだろう。


特に同業他社への転職においては、優秀な幹部社員クラスであればなおのこと、営業秘密漏洩リスクの問題がつきまといます。

転職をお手伝いするサービスに携わるものとして、この厳罰化に伴う転職者が抱えるリスクについて真剣に分析した上でアドバイスをしなければと、気を引き締めた次第です。

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