東京商工リサーチの顧問も勤める横山雅文弁護士によるクレーマー対応術。
以前ご紹介した『企業のためのクレーム処理と悪質クレーマーへの対応』が、あくまでも法律論を踏み外さないスタンスであるのに対し、横山先生のこの本は、ご自身の経験則から導き出した“横山流豪腕クレーム処理法”といったテイストになっています。なので、法律で理論武装をしたい方というよりも、クレーム処理に毅然と立ち向かう勇気をもらいたい方向けの本、という印象です。
私が今勤務する会社でも、顧客対応の専門部署でも手に負えないクレーマーの対応を、横山先生にお願いするケースがあります。
クレーマー対応を嫌がる弁護士もいる中で、横山先生は臆することなく対応窓口役を引き受けて下さいます。
彼らは、顧客対企業という優位な立場を利用して不当要求を仕掛けているからです。そして、当然、彼らも法的には自己の要求が通らないことはわかっているので、弁護士と交渉すれば、引き下がらずを得ず、自己の有能感が傷つくことになるからです。
また、彼らは、弁護士が介入することによって、自分に何らかの法的手続きをとられることを非常に警戒します。
したがって、彼らによる企業に対する不当要求行為は、交渉窓口弁護士移管の通知を出すことでほぼ確実に収束します。
これだけ言い切られると、もう全部お任せしちゃおうという気にもなりますよね。
このように、横山先生が弁護士への移管を対応手段として強調されている背景には、クレーム対応する従業員の心身の保護に対する思いがあります。
実際に、クレーム処理ばかりをやっている部署の従業員は、精神的にきつく、また社内的にも逃げ場がありません。まさに最後の砦となってしまうがために、メンタルヘルスの問題も発生しかねないわけです。
そうならないためにも、コトが起こってからでなく、平常時からクレーマーの対応を引き受けてくれる弁護士とのパイプを作っておくことが重要だと思います。
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