「初版はしがき」で、著者はこの本の特色をこんな風に述べています。

法理論は別として、まず何をしたらよいのかということを、具体的に紹介しようというのが本書の目的である。
(中略)
そこで本書では、各項目にその解説をするとともに、できるだけ一覧表(チェックリスト)を作成しておいた。要すれば、この一覧表だけ見れば、今何をしなければならないのか、それがすぐ分かるようにしたというのが本書の特色であるといえよう。

補足させていただくと、著者の「法理論は別として」というのは謙遜かなと思います。私が読む限り、実務に偏りすぎず法理論も押さえた記述になっていますので。

で、著者が特色と自負する一覧表というのが、例えばこんな感じ(同書P217より)。

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一見何の変哲もない担保権の一覧表ですが、「電話加入権質」や「建設機械抵当」といったリース会社ならではマニアックな担保権まで、網羅性高くかつシンプルにまとめた一覧表は意外と存在しないかと。





そして、リース会社ならではの回収にかける執念を感じさせられるのが、第二会社への追求方法についての記述が豊富なこと

私が経験している実務の世界で最近増えているのが、自身は民事再生手続きを申立て債務帳消しを図りつつ、気づけば実態たる会社・従業員は別の会社(第二会社)に移されているというパターン。

さすがに主たる資産まで勝手に第二会社に移転することは、債権者に対する露骨な詐害行為にあたるためやらないケースが多いですが、社長含めそこで働いていた従業員と営業の大部分が第二会社に移され、安穏と生き延びているのを見ると、ほんとに「何かやったろうかコラ」と思ってしまいます。

弁護士に相談すると、だいたい「しんどいから止めておいた方がいいですよ」と諌められてしまうところ。しかし、この本はさすがリース会社が書いているだけあり、
・仮差押
・会社法に基づく事業譲渡の追及
・法人格の否認
・役員個人責任
・法人成り
・名板貸
・代理商
などの法的手段・法理論を使って、第二会社に対し何をどこまで追求ができるかがリストアップされ、6ページに渡りその具体的方策が述べられているという気合の入りよう。

ここまで「追いかける」「回収し切る」という意気込みが感じられる本も珍しく、現実そこまでやるかどうかは別として、私にとってはなんかドスが利いてて頼りになるアニキ分、という感じがする本です。

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